2026.06.20 お知らせ

福島工場の板金加工設備 ― 2台のレーザー加工機を中心にご紹介

岩代工業のものづくりを支えるメインの板金工場が、福島県伊達市にあります。敷地5,940㎡・建屋2,450㎡という広大な拠点で、板材を「切る・抜く・曲げる・成形する・溶接する」までを一拠点で完結させる、当社最大の生産拠点です。今回はそのなかから、お客様の図面を最初に「カタチ」にしていく主役——2台のレーザー加工機を中心に、福島工場の板金加工を読み物としてご紹介します。

ISSUE — 板金は「工程の連鎖」

一枚の板が、製品になるまで

板金加工は、一枚の金属板を「切る」ことから始まります。必要な形に抜き、折り曲げ、ときに曲面へ成形し、最後に溶接して組み上げる——いくつもの工程を順に通して、はじめて製品の姿になります。どこか一工程でも外注に出せば、その都度モノが工場の外を行き来し、時間も品質管理の手間も増えていきます。

福島工場が「メインの板金工場」と呼ばれるのは、これらの工程をひとつの屋根の下で一気通貫に行えるからです。なかでもすべての起点となる切断・抜き加工を担うのが、これからご紹介する2台のレーザー加工機です。

POINT板金の品質と納期は、最初の「切る・抜く」工程の精度でほぼ決まります。ここが正確であれば、後の曲げ・溶接もスムーズに進みます。だからこそ福島工場では、性質の異なる2台のレーザーを使い分けています。

MACHINE 01 — ファイバーレーザー

薄板を高速・美しく切る|ファイバーレーザー ML3015GX-F40

三菱 ファイバーレーザー加工機 ML3015GX-F40

三菱電機 ファイバーレーザー加工機 ML3015GX-F40

レーザー加工機は、高エネルギーの光を一点に集め、金属を熱で溶かしながら切断する機械です。型(金型)を使わずプログラムだけで自在な形状を切り出せるため、板金加工の「最初の一手」として欠かせません。福島工場の主力が、三菱電機の ファイバーレーザー ML3015GX-F40 です。

ファイバーレーザーは、光ファイバーで増幅した近赤外の光を使う比較的新しい方式です。最大の持ち味は、薄板〜中板を高速で、しかも切り口を美しく仕上げられること。とりわけステンレスやアルミ、銅といった「光を反射しやすい金属」への加工を得意とし、消費電力もCO2方式より抑えられます。

3,050×1,525mmの定尺材をまるごと載せ、最大板厚t25まで対応。1枚の板から複数の部品をまとめて切り出す量産的な仕事で、本領を発揮します。


MACHINE 02 — CO2レーザー

厚板・多様な材質に強い|CO2レーザー ML3015HV2-R 45CF-R

三菱 CO2レーザー加工機 ML3015HV2-R 45CF-R

三菱電機 CO2レーザー加工機 ML3015HV2-R 45CF-R

もう一台のレーザーが、同じ三菱電機の CO2レーザー ML3015HV2-R 45CF-R です。CO2レーザーは炭酸ガスを媒体に発振する、長く実績を積み重ねてきた方式。ファイバーが「新しさ」なら、こちらは「懐の深さ」が魅力です。

CO2方式は波長が長く、厚みのある鉄板(軟鋼)を、滑らかで質の良い切断面に仕上げるのが得意です。切断面の角(かど)がだれにくく、後工程での仕上げ手間を減らせるのも利点。

こちらも加工範囲は3,050×1,525mm・最大板厚t25で、ファイバーが苦手とする領域をしっかり受け持ちます。2台を並べて持つからこそ、材質と板厚に応じて常に最適な一台で切れる——これが福島工場のレーザー加工の強みです。

方式 加工範囲 最大板厚 得意とする領域
ファイバー ML3015GX-F40 3,050×1,525 mm t25 薄板〜中板を高速切断/ステンレス・アルミ・銅
CO2 ML3015HV2-R 45CF-R 3,050×1,525 mm t25 厚めの鉄板を美しい切断面で/汎用性の高さ
POINT「レーザーが2台ある」のは、単に台数を増やしたいからではありません。ファイバーの速さとCO2の安定した切断面、それぞれの強みを材料ごとに引き出すため。1台が稼働中でも、もう1台で別の案件を並行して進められるという、納期面の余裕も生まれます。

MACHINE 03 — パンチプレス

数多くの穴を一気に|CNCタレットパンチプレス AE2510NT

アマダ CNCタレットパンチプレス AE2510NT

アマダ CNCタレットパンチプレス AE2510NT

レーザーと並ぶ「抜き」工程のもう一つの主役が、アマダの CNCタレットパンチプレス AE2510NT です。回転式の刃物台(タレット)に並んだ多数の金型をCNC制御で素早く切り替え、同じ形の穴を大量に、高速で打ち抜きます。制御盤やラックのように規則的な穴が多数並ぶ部品では、レーザーよりも速く・経済的に仕上がる場面が多く、案件に応じてレーザーと役割を分担しています。


MACHINE 04 — ベンダー

最大4mの大物を曲げる|大型ベンダー

東洋工機 ベンダー HYB-17540(4m対応)

東洋工機 ベンダー HYB-17540(4m対応)

切って抜いた板を、図面どおりの立体に折り曲げるのがベンダー(プレスブレーキ)です。福島工場は、東洋工機 HYB-17540 をはじめとする複数台のベンダーを擁し、最大4,000mmの長尺曲げにも対応します。装置の外装パネルや大型カバーなど、「長くて曲げられる工場が限られる」部品にこそ、この対応力が効いてきます。


MACHINE 05 — ロール成形

傷をつけずに曲面をつくる|ウレタンロール

アイセル ウレタンロール(曲面成形)

アイセル ウレタンロール(曲面成形)

折り曲げが「角(かど)」をつくる加工なら、ロール機は「なめらかな曲面」をつくる加工です。アイセルの ウレタンロール は、金属ロールの代わりに弾力のあるウレタンで板を受けるのが特徴。表面に傷やロール跡を残さずに円筒・曲面を成形できるため、意匠性が求められる外装や、塗装・研磨後の仕上げ面を守りたい部品で重宝します。レーザー・パンチ・ベンダーに、この成形が加わることで、福島工場が対応できる形状の幅はぐっと広がります。


VIDEO — 動画で見る

加工の様子を、動画でどうぞ

文章や写真だけでは伝わりにくい加工の迫力やスピード感は、ぜひ動画でご覧ください。気になる設備のサムネイルをタップすると、福島工場で撮影したYouTube動画が開きます。



レーザー加工の動画サムネイル


レーザー加工



ベンダー(曲げ加工)の動画サムネイル


ベンダー(曲げ加工)



ウレタンロール(曲面成形)の動画サムネイル


ウレタンロール(曲面成形)

▶ 各サムネイルから岩代工業公式YouTubeチャンネルの動画が開きます。


CONCLUSION

切る・抜く・曲げる・溶接するを、一拠点で

今回はレーザー2台を主役にご紹介しましたが、福島工場の真価は、その先まで一拠点でつながっていることにあります。レーザーとパンチで切り出し、4m対応のベンダーで曲げ、ロールで成形し——そして数十台の溶接機(ティグ・半自動、アルミ専用機を含む)で組み上げるところまで。板から製品になるまでの全工程を社内で完結できるからこそ、品質にも納期にも責任を持てます。

板金加工のご相談はこちら

福島工場の設備は「設備・人材」ページの福島工場セクションでもご覧いただけます。

「この材質・この板厚は対応できる?」「大物を一括で頼みたい」——板金加工のご相談は、お気軽にお問い合わせください。


FAQ — よくあるご質問

福島工場の板金加工について

お客様からよくいただくご質問をまとめました。各質問をタップすると回答が開きます。

Q.対応できる最大の板厚はどのくらいですか?
A.レーザー加工機はファイバー・CO2いずれも最大t25まで対応します。材質や仕上がりに応じて最適な方式・切削条件を選んで切断します。
Q.ファイバーとCO2、どちらのレーザーで加工されますか?
A.材質と板厚で使い分けています。薄板〜中板やステンレス・アルミ・銅などはファイバー(高速・美しい切断面)、厚めの鉄板(軟鋼)はCO2(滑らかな切断面)が得意です。2台体制なので、常に最適な一台で切れます。
Q.長くて大きな部品の曲げ加工はできますか?
A.東洋工機 HYB-17540 をはじめ複数台のベンダーを保有し、最大4,000mmの長尺曲げに対応します。装置の外装パネルや大型カバーなど、対応できる工場が限られる部品もご相談ください。
Q.切る・曲げる・溶接まで一括で依頼できますか?
A.はい。福島工場はレーザー・タレットパンチ・ベンダー・ロール成形に加え、数十台の溶接機(ティグ・半自動、アルミ専用機を含む)を備え、板から製品になるまでを一拠点で一貫して行います。
Q.傷をつけたくない曲面の成形はできますか?
A.ウレタンロールで、表面に傷やロール跡を残さず円筒・曲面を成形できます。意匠性が求められる外装や、塗装・研磨後の仕上げ面を守りたい部品に有効です。
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