2026.10.06 メディア

3D CAD設計から板金加工へ|偏心角丸シュートの部品展開・切断・曲げを動画で公開(後編)

前編でご紹介した偏心角丸シュートの続きです。3D CADで設計した立体を部品ごとに展開し、切断用データを作って、福島工場でレーザー切断・曲げ加工するまでを、約1分48秒の動画にまとめて公開しました。四角から丸へ変わり、中心までずれている形を、平らな金属板からどう作るのか——設計と製作のつなぎ目をご覧いただけます。

▶ 再生ボタンを押すと、このページのまま視聴できます(約1分48秒)

この動画のポイント前編は「現地確認 → 三次元設計 → 製作図面」まで。後編はその先、立体を板に戻し、実際に切って曲げるところまでを扱います。最後には、CADで設計した形と、福島工場で作った実物を並べてご覧いただけます。

SUBJECT — どんな形なのか

四角い入口が丸い出口へ変わり、しかも中心がずれている

題材は前編と同じ、食品製造ラインで原料を2つの経路へ分ける偏心角丸シュートです。名前のとおり、2つの特徴を持っています。

言葉 意味
偏心(へんしん) 入口と出口の中心が、横にずれていること
角丸(かくまる) 四角い入口が、丸い出口へと形を変えること

ねじれた曲面を持つこの形は、一つの型で一度に作れるものではありません。金属の板を切り、曲げ、組み合わせて作れるように設計する——後編は、そこから始まります。


STEP 1 — 三次元設計

面のつながりと継ぎ目を整え、「板で作れる形」に仕上げる

画面上で形が成立していても、そのまま板金で作れるとは限りません。面と面のつながりや、部品同士の継ぎ目の位置を一つずつ確かめ、製作できる形になるまでモデルを調整します。

0:16

偏心を確認する
入口と出口の中心がどれだけずれているか。このずれが、側面のねじれ方を決めます。
0:24

四角から丸へつなぐ
角のある入口から丸い出口へ、切って曲げて組み合わせられる面で結びます。
0:36

面と継ぎ目を調整する
曲面のつながりを整え、部品を一つの形にまとめます。

STEP 2 — 部品展開

立体を、一枚の板から切り出せる平面へ開く

完成したモデルは、部品ごとに展開します。展開とは、立体を平らな板の形へ開くこと。曲げる前の板がどんな輪郭をしていればよいのかを、立体から逆算して求めます。

展開しただけでは終わりません。動画の0:53からは、展開図の輪郭線を伸ばしたり切ったりして、組み立てたときに部品同士がきちんと合う形へ整えていく様子をご覧いただけます。

0:43

部品ごとに展開する
一枚の板から切り出せる平面形状へ変換します。
0:53

展開図の輪郭線を編集する
線を伸ばしたり切ったりして、部品同士が合う形へ合わせ込みます。

STEP 3 — 切断用データ

輪郭と寸法を、レーザーで切るためのデータへ

整えた展開図は、加工用のソフトへ取り込みます。レーザーで切る輪郭と寸法を一枚にまとめ、次の工程でそのまま使えるデータにします。設計の情報が、ここで製作の情報へ切り替わります。


STEP 4 — 福島工場で製作

切って、曲げて、組み合わせる

データを受け取るのは、当社の板金加工の中心である福島工場(福島県伊達市)です。レーザー加工機でステンレス板から部品を切り出し、プレスブレーキで図面の線に沿って少しずつ曲げていきます。

1:10

レーザーで部品を切り出す
設計した輪郭を、そのままステンレス板へ。
1:12

プレスブレーキで曲げる
図面の線に沿って、板を少しずつ立ち上げます。
1:17

曲げた部品を取り出す
平らだった板が、立体に変わった瞬間です。
1:22

円形側の部品を組み合わせる
曲げた板を合わせ、出口側の丸い形をつくります。

RESULT — 設計と実物

CADで設計した形が、金属の実物になる

動画の1:24では、CADで設計した偏心外形と、福島工場で製作した実物を並べています。角形から円形へつながる形が、平らな板を切って曲げることで再現されているのが分かります。

設計した形がそのまま作れるのは、設計の段階から「板を切って曲げて作る」ことを前提に形を決めているからです。継ぎ目の位置を整え、展開図の輪郭を合わせ込む——その積み重ねが、設計の形と実物の形を一致させています。

FLOW — 設計から製作までの流れ

前編・後編で、現地から完成までがつながる

工程 やること 動画
現地確認 条件を知る(取付位置・口径・高さ・偏心量) 前編で紹介 →
三次元設計 形を成立させ、板で作れる形に整える 前編・後編
製作図面 製作情報へ整理する(全体寸法・取付部・部品構成) 前編で紹介 →
部品展開 立体を平面へ開き、切断用データにする 後編
社内製作 レーザー切断・曲げ・組み合わせ(福島工場) 後編

▶ 機械設計・板金加工についてくわしく

一品一様の装置・搬送部品の設計から製作までの進め方は「機械設計・製作」で、レーザー切断や曲げなど加工そのものについては「精密板金加工」のページでご紹介しています。


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前編もあわせてご覧ください

前編・動画3D CAD設計の現場を動画で公開しました|現地の手書きメモから製作図面まで同じ偏心角丸シュートの、現地確認から3D CAD設計、製作図面までを紹介しています。現地写真の手書きメモが、製作できる形に変わるまでの前半です。記事を読む →


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設計した形を、そのまま作れる体制で

設計した部品を別の会社で作ると、「この形では作れない」と差し戻されることがあります。岩代工業は、現地確認・設計から部品展開、板金加工、組立までを社内の工程としてつないでいます。作り方を分かったうえで設計するので、設計と製作の間で形が食い違いにくくなります。

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FAQ — よくある質問

動画についてよくいただくご質問

Q.部品展開とは何ですか?
A.3D CADで設計した立体を、曲げる前の平らな板の形へ開くことです。板金部品は平らな板を切って曲げて作るため、どんな輪郭の板を切り出せばよいかを立体から逆算して求めます。動画では0:43から、部品ごとに展開する様子をご覧いただけます。
Q.四角から丸に変わるような曲面の部品も、板金で作れますか?
A.動画の偏心角丸シュートは、部品ごとに展開した板をレーザーで切り出し、曲げて組み合わせることで作っています。ただし、形状・板厚・材質によって分け方や作り方は変わります。まずは用途や図面、現物の写真などでご相談ください。
Q.設計から製作まで、まとめて依頼できますか?
A.はい。岩代工業は現地確認・設計から部品展開、板金加工、組立までを社内の工程としてつないでいます。どの範囲までをお任せいただくかは案件ごとに調整していますので、まずはご要望をお聞かせください(お問い合わせフォーム)。
Q.動画の加工はどこで行っていますか?
A.福島県伊達市にある福島工場です。当社の板金加工の中心となる工場で、レーザー加工機2台や4m対応のベンダー(曲げ機)などを備えています。
Q.前編はどこで見られますか?
A.前編では、同じ偏心角丸シュートの現地確認から3D CAD設計、製作図面までを紹介しています。記事「3D CAD設計の現場を動画で公開しました」からご覧いただけます。

※動画中の3D CAD画面はSolid Edge®を使用しています。Solid Edge®は、Siemens Product Lifecycle Management Software Inc.またはその子会社・関連会社の、米国およびその他の国における商標または登録商標です。本動画は、ソフトウェアメーカーによる提供・協賛動画ではありません。
※ナレーション音声はVOICEVOX Nemo(男声1)、BGMは「ポリゴンダンス」(MAKOOTO/DOVA-SYNDROME)を使用しています。

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