2026.10.30 メディア

検査装置は、今あるラインに合わせてつくる|食品容器のカメラ検査装置を動画で公開しました

流れてくる容器を、ラインを止めずに外側から確かめたい。けれど、そのためにラインを丸ごと作り直すわけにはいかない。——検査を足したいとき、最初に悩むのはここです。
岩代工業では、今あるラインの途中に入る検査装置を、設置する場所に合わせて設計・製作しています。食品容器の外側を6台のカメラで検査する装置を例に、図面の上で何を決めているのかを、約1分40秒の動画にまとめました。

▶ 再生ボタンを押すと、このページのまま視聴できます(約1分42秒)

時刻 章 内容
0:00 導入 食品容器の外側を、6台のカメラで検査する装置
0:15 図面で見る 前後のコンベア、容器が流れる高さ、装置の大きさ、扉が開く範囲
0:44 中のつくり 入口・検査部・扉と窓・排出部
1:16 排出 検査NG品をエアーでラインの外へ(テストモードで撮影)
1:22 まとめ 設置場所とラインに合わせて、設計から組立まで社内で

はじめに

検査装置は、ラインの「途中」に入る

食品工場では、容器がコンベアに乗って、次の工程へと流れていきます。容器の外側を確かめる検査装置は、この流れの途中に割り込む形で置かれます。前にも後ろにも、すでに動いているコンベア(動画では「既設のコンベア」と呼んでいます)があり、装置はその間に収まらなければなりません。

置ける広さ、コンベアの高さ、まわりの通路や設備との距離。こうした条件は工場ごとに違います。だから同じ「検査装置」でも、カタログから選んで置くのではなく、置く場所に合わせて形を決めることになります。

食品容器のカメラ検査装置の全景。正面にタッチパネルと確認窓がある
動画 0:09 — 今回の装置の全景。ラインの途中に入り、流れてくる容器を検査します。
動画の主題は、カメラや検査そのものの仕組みではありません。設置する場所と、つなぐラインに合わせて装置を設計するとはどういうことか。それを図面と実物で見ていただくための動画です。

01 図面で決める

設置の前に、図面の上で確かめる4つのこと

動画の前半では、装置の全体図面を使って、設置する前に確かめていることを順に見ていきます。

① 前後のコンベアの間に置く

上から見た図で、オレンジの枠が前後のコンベア、その間にあるのが検査装置です。前(上流)から来た容器を受け取り、検査して、後ろ(下流)へ渡す。装置の入口と出口の位置は、既設のコンベアに合わせて決めます。

上から見た図面。上流コンベアと下流コンベアの間に検査装置がある
動画 0:18 — 上から見た図。前後のコンベアは既設で、装置はその間に設置します。

② 容器が流れる高さをそろえる

正面から見た図にある「パスライン」は、容器が流れる高さのことです。この装置では床から900ミリ。前後のコンベアと高さがそろっていないと、受け渡しのところに段差ができてしまいます。高さは、つなぐ相手のラインに合わせて決まります。

正面から見た図面。容器が流れる高さ(パスライン)が床から900ミリと示されている
動画 0:26 — 容器が流れる高さは床から900ミリ。前後のコンベアに高さを合わせます。

③ 置ける広さに収める

装置の大きさは、全長1480ミリ、奥行き1000ミリ。床に置いたときの広さは、畳1枚よりひと回り小さいくらいです。「ここなら置ける」という場所の寸法から逆算して、装置の外形を決めます。

図面上で全長1480ミリと奥行き1000ミリを示したところ
動画 0:33 — 全長1480ミリ×奥行き1000ミリ。設置場所に収まるように寸法を決めます。

④ 扉を開けるスペースも

見落としやすいのが扉です。点検や調整で扉を開けたとき、隣の設備や通路にぶつからないか。上から見た図に扉が開く範囲を描き、設置する場所の中で開けられるかを、図面の上で確かめます。


02 中のつくり

限られた広さの中に、必要なものを収める

動画の後半は実物です。容器が通る順に、入口から出口まで見ていきます。

上流から来た容器は、まず入口のコンベアで受けます。容器の通り道を決めるガイドは、幅を調整できる機構にしています。

その先の検査部には、6台のカメラがあります。四隅に4台、前と後ろに2台。容器を四隅と前後から検査するために、装置の中に配置しました。動画では、設計データ(3D)で配置を見たあと、実機を真上から見た映像に切り替わります。

設計データ(3D)で見た検査部。緑色のカメラが容器を囲むように配置されている
動画 0:51 — 設計データ(3D)。緑がカメラです。色と点線は説明のために付けています。
実機の検査部を真上から見たところ。両側のカメラの間を容器が流れていく
動画 0:56 — 実機を真上から。両側のカメラの間を、容器が流れていきます。

装置の扉を開けると、装置は止まり、カメラや搬送部に手が届きます。閉めたままでも、確認窓から中の様子が見えます。点検する人が安全に、無理なく作業できるかどうかも、設計の段階で決めておくことです。

扉を開けた装置の正面。左に確認窓、右にカメラと搬送部が見える
動画 1:00 — 扉を開けて撮影。左が確認窓、右がカメラと搬送部です。

03 排出

問題のない容器はそのまま、NGの容器はラインの外へ

出口の手前には排出部があります。検査で問題のなかった容器(動画では「検査OK品」)は、そのまま下流のコンベアへ渡ります。

異常を検知した容器(「検査NG品」)は、ノズルからエアー(圧縮空気)を吹き付けて、ラインの外(動画では「系外」)の排出シュートへはじき出します。流れを止めずに、NGの容器だけを取り除く仕組みです。

ブローノズルからのエアーで容器がラインの外へ飛ばされる場面
動画 1:17 — テストモードで排出の動作を確認した映像。黄色の輪がエアーを吹き出すブローノズルです。

※動画の排出場面は、テストモードで排出の動作を確かめたときに撮影したものです。実際の不良品を見つけた場面ではありません。


04 場所ごとに

同じタイプでも、置く場所ごとに設計する

この装置と同じタイプは、これまでに複数台を製作しています。それでも、設置する場所とつなぐラインが同じとは限りません。岩代工業では、その条件に合わせて、設計から組立までを社内で手がけています。


ご相談のときに

まず、お聞きしたいのはこの3つです

動画の最後でお伝えしているとおり、設置する場所の寸法や、ラインの図面からご相談いただけます。

お聞きすること 何が決まるか
1 設置する場所 置ける広さ、まわりの通路や設備との距離。装置の外形と、扉の開き方が決まります
2 つなぐライン 前後のコンベアの高さと位置。装置の入口・出口と、容器が流れる高さが決まります
3 検査したい容器 容器の形や大きさ。入口のガイドや、搬送のしかたに関わります

図面がそろっていなくても構いません。「このラインのこのあたりに、検査を足したい」という段階からご相談ください。

▶ 機械設計・製作について

検査装置や搬送機など、これまでの製作実績とご依頼の流れは「機械設計・製作」のページでご紹介しています。


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よくある質問

ラインに検査装置を足すときに、よくいただくご質問

Q.今のラインを大きく作り替えずに、検査装置を入れられますか?
A.動画の装置は、既設の前後のコンベアの間に設置する前提で、容器が流れる高さと設置する場所の広さに合わせて設計しています。どこまで手を加えずに入れられるかはラインによって変わるため、設置場所の寸法やラインの図面・写真を拝見してからご相談させてください。
Q.ラインの図面が無くても相談できますか?
A.はい。設置したい場所の寸法や、ラインの写真など、お手元にある情報からご相談ください。進め方は状況に合わせてご提案します。
Q.検査の精度や、1分あたりの処理数はどのくらいですか?
A.容器の種類、確かめたい内容、ラインの速さによって変わるため、この記事では数値をお示ししていません。条件をお聞きしたうえで、ご相談させてください。
Q.動画で飛ばされている容器は、実際の不良品ですか?
A.いいえ。テストモードで、排出の動作を確かめたときの映像です。実際の不良品を見つけた場面ではありません。
Q.動画の映像は実際のものですか?
A.はい。実写の映像は、当社で製作した装置を撮影したものです。3Dの画面は実際の設計データで、色と点線は説明のために付けています。図面は一部の記載を伏せて使っています。

※ナレーション音声はVOICEVOX Nemo(男声1)を使用しています。

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