ラインに足す「次の一台」ができるまでを動画で公開しました|見る・つくる・確かめる
ラインを丸ごと入れ替えるわけではない。けれど、このままでは回らない。——設備のご相談は、たいていここから始まります。増産で前後がつながらなくなった。長く使った部分が傷んできた。工程と工程のあいだが、人手のまま残っている。可動部に囲いが無い。
必要になるのは、ラインの一部です。いま動いているラインに足す「あと一台」がどう決まっていくのかを、約1分25秒の動画にまとめました。
▶ 再生ボタンを押すと、このページのまま視聴できます(約1分25秒)
| 時刻 | 章 | 内容 |
|---|---|---|
| 0:00 | 導入 | 同じ一台は、ない。搬送・充填・検査、足す場所の数だけ条件がある |
| 0:10 | 見る | 既設ラインの高さ・距離・取合いを、その現場で寸法にする |
| 0:28 | つくる | 図面を起こし、切り、抜き、曲げ、溶接し、削る |
| 0:54 | 確かめる | 既設に取り付くか。前後と渡せるか。繰り返し動くか |
| 1:10 | まとめ | 違う条件に、合わせた答えを |
はじめに
「あと一台」は、ラインを丸ごと替える話ではない
工場のラインは、一度に全部が新しくなるものではありません。生産量が上がって前工程が追いつかなくなる。長く動かしてきた部分が傷んでくる。工程と工程のあいだが人手のまま残っている。作業者のすぐ近くに、囲いの無い可動部がある。——そうやって必要になるのは、たいていラインの一部です。
私たちがお引き受けしているのも、その一部です。ラインの延長や増設、傷んだ部分の交換、工程と工程のあいだに入る受け渡しの一台、可動部を囲う安全カバー。動画で「次の一台」と呼んでいるのは設備一式のことではなく、いま動いているラインに足りていない、この一台のことです。
そして、その一台は前と同じ形にはなりません。据える場所が違えば、天井までの高さも、隣の機械との距離も、留める相手も変わるからです。搬送の高さが数十ミリずれているだけで、前後の設備とつながらなくなります。
動画の冒頭で、搬送・充填・検査という3つの現場を並べているのはそのためです。やっていることは近くても、足す場所の条件はそれぞれ違う。「同じ一台は、ない」——ここから話が始まります。

01 見る
図面の前に、まず現場へ行く
ご相談をいただくと、私たちはまず現場に伺います。設備の図面をお預かりしていても、です。足すものは既設のラインに取り付くので、図面に描かれていないことのほうが効いてくるからです。
床が水平とは限りません。想定していた場所に、後から引かれた配管が通っていることもあります。台車が通る導線を空けておかなければ、寸法上は入っても実際には使えません。図面はあくまで設計時点の姿で、いま目の前にあるラインは、そこから何年も動いてきた結果です。
現場で見るのは、大きく3つです。搬送高さ——前後の設備と受け渡す高さが合わなければ、そもそもつながりません。いちばん先に押さえます。設置スペース——据えられる幅と奥行き。通路と、作業する人の動く範囲を残したうえで、使える範囲を決めます。そして取合い——既設のどこに、どう合わせて留めるのか。足す一台は必ず既設のどこかに取り付くので、これが決まらないと形そのものが決まりません。
動画では、測った内容をその場で書き取っていく様子をご覧いただけます。派手な工程ではありませんが、ここで取りこぼした条件は、あとの工程では取り返せません。条件を数字にするところまでが「見る」で、ここが設計の出発点になります。

02 つくる
現場で決めた数字が、そのまま加工の指示になる
持ち帰った条件を図面に落とし、そこから先は社内の工程でつないでいきます。動画のこの区間に映っているのは、すべて自社で動かしている設備です。板を切るところから、削り出しまで。
| 工程 | 使う設備 | 拠点 |
|---|---|---|
| 設計 | 3D CAD(その一台のための図面を起こす) | 組立工場 |
| 切断 | CO2レーザー加工機 | 福島工場 |
| 抜き | タレットパンチプレス | 福島工場 |
| 曲げ | ロール曲げ | 福島工場 |
| 溶接 | ステンレスのTIG溶接 | 福島工場 |
| 切削 | NCフライス | 本社 |

一品一様の仕事で効いてくるのは、設計と製作が同じ社内にあることです。図面を渡して終わりではないので、作っている途中で「ここは既設と当たりそうだ」と気づけば、その場で詰め直せます。外に出していると、この往復に日数がかかります。
一点ものは、量産品のように試作を重ねられません。だからこそ、現場で決めた数字を誰かが翻訳し直すことなく、そのまま加工の指示として使えることに意味があります。
03 確かめる
作り終わった時点では、まだ終わっていない
寸法どおりにできていても、実際に据えてみると既設と当たることがあります。逆に、単体では問題なく動くのに、前後の設備とつないだ途端に流れが詰まることもあります。足す一台は、既設のラインの一部として働くからです。
ですから最後の章では、取り付くか。渡せるか。繰り返し動くか。——この3つを、実際の動きで確かめています。取り付くかは、既設側と干渉せずに納まっているか。渡せるかは、前の工程から受け取って次へ確実に送り出せるか。そして繰り返し動くかは、一度うまくいくことと、動かし続けられることは別だからです。

現場が求めているのは「図面どおりの物」ではなく、明日から止まらずに動くラインです。既設の流れに入って動いて、はじめて一台になります。
これまでの一台
同じ図面が使えることは、少ない
動画の後半では、これまでにお作りしたものを並べています。シュート、ホッパー、スクリュー、安全カバー、タンクと架台。どれもラインの一部です。品目の名前で言えば繰り返し出てくるものばかりですが、形は毎回違います。取り付く相手が違うからです。

並べてみると、私たちの仕事が何なのかがはっきりします。設備を一式で入れ替えるのではなく、いま動いているラインに足りない一台を成立させる。この積み重ねが、そのまま実績になっています。
ご依頼の流れ
最初のご相談に、図面は要りません
動画は「見る・つくる・確かめる」の3つに絞っていますが、実際のご依頼は次の流れで進みます。入口でお聞きするのは、図面ではなく用途です。「こういうことがしたい」「ここで困っている」——そこから現地確認に入ります。
| 段階 | やること | 動画 |
|---|---|---|
| ご相談 | 足したいもの・困っている工程をお聞きします | — |
| 現地確認 | 既設ラインの搬送高さ・設置スペース・取合いを実測し、条件を寸法にします | 見る |
| 設計・製作 | 図面を起こし、切断から組立までを社内の工程でつなぎます | つくる |
| 据付・確認 | 既設に取り付け、前後とつないだ状態で動作を確かめます | 確かめる |
| お引き渡し | 使い方をご確認いただき、必要に応じて手直しします | — |
▶ もう少しくわしく
既設ラインに足す装置・治具・搬送部品の進め方は「機械設計・製作」、板金加工そのものについては「精密板金加工」でご紹介しています。可動部の囲いについては「安全カバー・設備カバー」のページもあわせてご覧ください。
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いま動いているラインに何かを足したい。でも寸法も形も決まっていない——そういう案件こそ、現地に伺うところから始めます。岩代工業は、現地確認・設計・板金加工・溶接・組立・据付確認までを社内の工程としてつないでいます。
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ラインの延長・増設、傷んだ部分の交換、工程と工程のあいだの受け渡し、可動部の安全カバー、架台まで。用途とお困りごとをお聞かせいただければ、現地確認からご提案します。
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※ナレーション音声はVOICEVOX Nemo(男声1)を使用しています。